第十四話 ~死者の栄光~
イスグラモルの墓――
そこはスカイリムの北の果てであった。
全員集合。
墓に入ってすぐのところに、イスグラモルの像が置かれてあった。
奥へ進むには、ウースラドをイスグラモルに返せばよい、とヴィルカスが教えてくれた。
その通りにして、イスグラモルにウースラドを持たせてみると――
正面の岩に亀裂が入り、奥に進めるようになったのだ。
「もうすぐ死の冷たさを味わうことになる……」
墓の奥に進むと、なにやら不気味な声が響き渡る。
そして同胞団の亡霊が襲いかかってきた。
なぜ同じ同胞団なのに襲われなければならないのか? と男は考えながら戦っていた。
そういえばウェアウルフは死ぬとハーシーンのハンティング・グラウンドに呼ばれて、永遠に狩りをするということだった。
つまりそういうことなのだろう。
同胞団の亡霊は死後もこうして狩りを楽しんでいるのだ……
墓の一番奥の部屋は、中央に台座があって、その上に青白い炎が揺らめいていた。
そして一人の霊体、見覚えがある。
コドラクだ。
「コドラク、あなたか?」
「もちろんそうだ。仲間の導き手達と一緒に、ここで体を温めてるんだ。ハーシーンに見つからないようにね」
「ヴィルカスは、まだ治癒の望みがあると言っていたが?」
「そんな事を? そうだといいな」
コドラクも治癒の方法に気が付いていたようで、こう続けた。
「魔女達の首はまだ持っているのか?」
「ここに一つあるが……」
「よくやった。その首を導き手の火炎に投げ入れるんだ。それで魔法が解ける、少なくとも私は助かるよ」
中央の台座で輝いている炎。
これが導き手の火炎だろう。
男は持っていた「グレンモリルの魔女の首」をその炎の中に投げ込んだ。
すると、コドラクは苦しそうに悶え始めた。
そしてコドラクの身体から分離されるように赤く輝くオオカミが出現したのだ。
これがウェアウルフの力の源なのか?
オオカミはコドラクの身体を離れると、こちらに襲いかかってきた。
まるで、余計な事をするなとでも言わんばかりに――
アエラと共に迎え撃つ。
これも霊体のようだが、剣の攻撃は通じるようだ。
二人で協力して叩きのめすと、オオカミの霊はその場から消え去って行った……
これでコドラクは、ウェアウルフの力から解放され、ソブンガルデへと旅立つことができるようになった。
「あなたの獣の心は殺したぞ」
「感謝するよ。だが他の導き手達はまだハーシーンの手の中にいる」
コドラクは、ハンティンググラウンドへソブンガルデから古き英雄達が助けに来るだろうと言った。
そして自分もその戦いに加わり、必ず勝利してみせよう、と。
そして最後にコドラクはこう言った。
「そして『同胞団』をさらなる勝利へ導いてくれ」
男は同胞団の指導者に選ばれたのであった!
~ Mission Complete ~
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