第十二話 ~復讐の正当性~
魔女の洞窟からホワイトランに戻ってきたが、ジョルバスクルが見えてきた所で違和感を感じた。
アエラ達が外に出ていて、その足元には何人かの遺体が転がっているのだ。
シルバーハンドだ!
ついに同胞団の本拠地であるジョルバスクルにまで攻めてきたと言うのだった。
コドラクはシルバーハンドの手にかかって殺されてしまっていた。
しかも身ぐるみはがされていた……
やられたのがウェアウルフに否定的なコドラクだけというのもなんとも言えない結果である。
ウェアウルフに否定的なシルバーハンドが、同胞団からウェアウルフを無くそうとしているコドラクを殺したのだ。
要するにシルバーハンドのやり方には一貫性が無いということである。
だが攻められたことは事実。
これから、盾の兄弟ヴィルカスと共に、復讐に向かう事になった。
シルバーハンドが立てこもる砦は、ウィンターホールドにあるドリフトシェイドの隠れ家。
到着した時には、夜が訪れていたのだ。
そこで男は力を解放した。
コドラクは否定的だったが、男は最近、ウェアウルフでの狩りを楽しむようになっていたのだ。
そのままドリフトシェイドの隠れ家に飛び込んで行った。
シルバーハンド達は、同胞団の襲撃は予想していたが、まさかウェアウルフとなって襲ってくるとは想像していなかった。
シルバーハンドに飛びかかる。
突然襲いかかってきた異形の魔物……
あっという間に食い殺されてしまった。
もう一人のシルバーハンドはヴィルカスに任せて、男はさらに奥へと進んでいった。
男はシルバーハンドを全滅させるつもりでいた。
実際のところ、スコールの敵討ちもそれほど重要ではなかった。
コドラクに取り繕って言った仲間の名誉のためというのも本心ではなかった。
ただ、純粋に狩りを楽しんでいたのだ。
このウェアウルフの力で……
さらに突っかかって行く。
なすすべもなく血祭りにあげられるシルバーハンド。
男には、この力を呪いと言い、捨てようとしているコドラクの気持ちが分からなかった。
この高揚感、この狩猟衝動が快感になってきているのだ。
奥の部屋には、三人のシルバーハンドが机に向かって何やら相談でもしているようだった。
その背後から一気に襲いかかる。
まずは二人を鋭い爪で弾き飛ばし、残る一人に馬乗りになって喉に食らいつく。
一人をヴィルカスが相手をしている内に、残る一人に飛びかかって行く。
鋭い爪でズタズタにされるシルバーハンド。
最後のシルバーハンドを倒し、この砦のシルバーハンドを全滅させることに成功した。
シルバーハンドたちが屯していた机の上に、ウースラドの破片が置かれていた。
復讐はなされたのだ。
二人は意気揚々ジョルバスクルへと引き上げていった。
~ Mission Complete ~
前の話へ/目次に戻る/次の話へ