平和を望まぬ者 ~何よりも金が大事な愚か者~
ミラークの野望は、真のドラゴンボーンによって打ち砕かれた。
これで俺達のソルスセイムでの冒険は終わったということだ。
謎の信者問題も解決したことだし、大手を振ってスカイリムに帰ろう。
………
……
…
ソルスセイムの港町、レイヴンロックに帰る途中に――
三人組に出くわした。
なんだこいつらは?
モグルルの悪漢「モグルルが金を返せと言ってる。だからお前を殺して回収しようかと思ってね」
リセッテ「ちょっと……」
ラムリーザ「なるほど……、お前ら、そしてモグルルは、俺が誰だか知っているのか?」
モグルルの悪漢「金を返さない奴だろ」
ラムリーザ「なるほどね、モグルルやお前らはそういう輩か」
貴様らはソルスセイムに生きる資格無し!
誰のおかげでソルスセイムの平和があると思っているんだ?
俺は自分のやった功績に対して奢り高ぶるつもりはさらさら無いが、ソルスセイムの民に感謝こそされ、殺される道理は無い!
お前らはソルスセイムに生きる者ではない!
こいつらは、ミラークの残党認定!!!
死ねや、ゲスが。
モグルルの送った差し金はたいしたことなく、「わんわんお」と俺のコンビの前に倒れた。
まったく、なんて奴らだ……
ふぃ……
リセッテ「まさか本当に刺客を差し向けてくるなんてね……」
ラムリーザ「ミラークの残党が残っているので、そいつを始末してからスカイリムに帰ろう」
リセッテ「いったい誰?」
ラムリーザ「モグルルだ」
これを見ろ。
ソルスセイムの平和よりも、自分の金が大事な男だ。
ソルスセイムに生きる価値無し!
それに決めていたしな。
手を出してきたら返り討ちにする、とな。
そもそも俺が借金をしているわけではないところが最大のポイントだ。
連帯保証人になった記憶も無いのに、借りた奴と全く関係ない奴から取り立てる男だ、モグルルというやつは。
そんな金貸しは無茶苦茶なやつだから、お掃除しておくに越したことは無い。
それに、今掃除しておかないと、この先何度刺客を差し向けてくるかわかったものじゃないからな。
………
……
…
暗殺には、スタルリム製の弓と、デイドラの矢を使うことにする。
何故かだって?
その理由は2つ。
1つ、スタルリム製の弓の使い心地を確かめる。
2つ、俺がやったという痕跡は残さない。
レイブンロックの聖堂の屋根の上から街を見下ろす。
ふむ……
モグルルは食料品屋の前で品定めしているな。
距離なんか俺には関係ない。
俺を敵に回したことを、あの世で後悔するがよい!
Snipe!
ふぃ……
街の人たちも、まさかこんな所から狙撃してきたとは思うまい。
これで、ソルスセイムに残ったゴミの片付けも終わった。
これにて、ようやく真の平和が戻ったのである。
前の話へ/目次に戻る/次の話へ