ストライデント・スコール号 ~シンディリの家宝探し~
俺の名前はラムリーザ・テルヴァンニ、モローウィンドの貴族である。
テル・ミスリンでのんびりしながらタルヴァスと談話していた所、ストライデント・スコール号の話が出てきた。
そういえば、レイヴンロックでシンディリに、製本したフォリオを積んだ船が沈没した話を聞いたな。
大事な家宝と言ってたような?
で、そのストライデント・スコール号は、テル・ミスリンから南部に行った所に漂着していると聞いたのだ。
あれが漂着したストライデント・スコール号。
今では強奪者の住処になってしまっているのだ。
めんどくさいので、ここはネラカーに餞別でもらった杖を試してみますかな。
エクスプロージョンの杖とどう違うのか?
ドカーン!
……う~む。
あまり変わってない?
……と思ったけど違った。
火球の威力で、ほとんどの強奪者がくたばっていたのだ。
かろうじて一撃を耐え切ったものも、そのうち燃え尽きてしまうのだ。
ネラカーも恐ろしい杖を作ったものだ……
さて、住み着いていた強奪者も片付けたことだし、漂着したストライデント・スコール号の探索とでもいきますか。
船は半分沈んでいて、船内は海水が溜まっている所もある。
棚にあった金庫には、「東帝都社のペンダント」が入っていた。
これ、誰かが欲しがっていたような?
ラムリーザ「誰だっけ?」
リセッテ「え~と、レイヴンロックの雑貨屋フェシスさんね」
ラムリーザ「そっか」
シンディリが求めていた本は、船内にある宝箱の中に入っていた。
タイトルにフォリオ版と書いているから、たぶんこれがそうなのだろう。
しかし家宝の本か、いったいどんな事が書かれているのやら。
ちょっと読んでみよう。
この内容って、何かの演劇の脚本みたいな感じだな。
なんかひっかかるものがあるのだが……(。-`ω´-)
リセッテ「(じ~っ)」
ラムリーザ「なんぞ?」
リセッテ「読んでないで届けに行くわよ」
ラムリーザ「はいよん」
ソルスセイムの夕焼け。
いつか自分の船を持ち、航海に出てみたくなるって雰囲気だな~
………
……
…
ラムリーザ「フォリオ版の本が見つかったよ」
シンディリ「見つけたの?」
ラムリーザ「ほら、これだ」
シンディリ「これが私や家族にとって、どれほどの意味を持つか分からないでしょうね。奪還せし者に神々の祝福あれ!」
リセッテ「…………」
シンディリ「これであなたの真価は十分に証明されたわ。お礼の印に、この贈り物を受け取ってちょうだい!」
なんか指輪くれた。
でもここではあれだな。
指輪なんかよりもだ!
これだよなーっ。
リセッテ「また酒盛り始めるー!」
ラムリーザ「あれ、隣に居るのはニヤじゃないか。船に乗ってここを離れるのじゃなかったのか?」
ニヤ「まだ船が出ないのよ、それまではここに居ることにするわ」
ラムリーザ「まぁ、イルダリは滅びたから安心してくれ」
リセッテ「あなた、いい加減にして!」
配達人「手紙があるんだ」
リセッテ「もう、何かしら?」
配達人「またラリスからの手紙だけど、彼の手紙を届けるのはこれで最後だ。あの場所はどうにも耐えられない」
リセッテ「ラリスさんね。あなた、コルビョルン墓地に向かうわよ」
やれやれ、慌しいのぉ……
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