数日振りにコロルに戻ってきて、ギルバートと話をした結果、今度はウェザーレアを探して欲しいと依頼してきた。
 そこで街でウェザーレアについて聞き込みをしてみたところ、衛兵から「戦士ギルドのザビーネ・ラウルに聞くのが一番」と教えてくれた。
 戦士ギルドか、魔術師ギルドと掛け持ちをしてよいものだろうか?
 それに俺は、多少の魔術の心得はあっても、剣の腕はからきしだぞ?

 というわけで戦士ギルド。コロルでは魔術師ギルドの隣にある。
 建物に入って早々、緑色の顔をした人に話しかけられてギョッとしたが、ザビーネは奥に居る女性のようだった。

 やあ、おばさん! じゃなくて、ザビーネさん!
 戦士ギルドは新人を募集しているだって? ごめん、その話はまた今度にしてくれ!
 勧誘とかされたものだが、ウェザーレアについてたずねてみるると、コロルの真南にあるオーガが棲みついていた場所だと教えてくれた。
 しかも親切なことに、地図まで用意してくれたじゃないか。

 ウェザーレアはここだ。南の森の中だね。
 ヴァーミルナの時みたいに、深い森だったらどうしよう……

 どうでもいいけど、コロルの街中で狼を引き連れて散歩している人が居た。
 鎖に繋いでいない、大丈夫か?
 
 というわけで、コロルの街を出て南に向かうことになった。
 街の南は壁で隔てられているので、出口を探さなければいけない。
 というわけで、壁沿いに東へと進路を取る。

 妙なところだな、橋を二つ架ける意味があるのかね?
 まぁ、無くて川の中を歩かなければならないぐらいだったら、二つあったほうがいいけど。それに橋が二つあれば、その日の気分でどちらを渡ればいいか選択できるからね。今日の俺は、橋の手すりの上気分だ。

 さて、壁の切れ目から、南への旅スタートだ。

 シェイディンハルの南と違って、ちゃんとした道があるから安心だ。
 地図を確認しながら、ウェザーレアを目指そう。
 しっかっし、その旅は決して楽なものではなかった。

 先日見かけた木の様な生き物が居て、また熊を召喚してきた。熊って召喚される生き物なのか?
 そんな疑問を抱いていても仕方ないし、退治しなければ先に進めない。

 変な魔法を食らいながらも、こちらも霊峰の指で対抗する。
 狼に遭遇したり、アイレイドの遺跡を見かけたりしたが、とにかく道を南へと進んだ。
 
 ………
 ……
 …
 

 しばらく南に進むと、一軒の建物へたどり着いた。あれがウェザーレアだろうか?
 しかし嫌な予感がする。
 コロルの街の人は、オーガが棲みついていると言っていたが、なんか見覚えのある奴が居るような気がする……

 ま た お ま え か !
 
 お前の名前はオーガだったのか、野蛮人め!

 急いで高いところに避難する。今回は、家の脇の井戸の上、つくりはシェイディンハルの魔術師ギルドの裏にあった井戸と同じ。同じ人が作ったのかな?
 まぁとにかく高いところに登れば、野蛮な奴――改め、オーガは手も足も出でない。周囲をうろついてうなり声をあげるだけだ。

 安全な場所から、ファイアーボール!

 そんな感じで、オーガは片付けた。
 オーガは知能が低くて、登ってこようという判断に至らないから度し難い。
 さて、オーガを退治したことをギルバートに伝えるか。
 
 ………
 ……
 …
 

 コロルの酒場で待っていた二人に報告すると、早速そこへ連れて行ってくれという話になった。
 いや、もう安全なのだから二人で行けば? というが護衛が欲しいらしい。
 つまり、護衛が必要なところに住みたいのか、酔狂な奴らだな。

 というわけで、仕方ないので再び同じ道を進んでいく、行ったり来たりかよ。
 それでも、最初に通ったときに、熊だの狼だの退治していたので、今回は楽に進むことができた。
 しかし、今後また沸いてくる可能性もあるんだぞ? 戦えるのか? 兄弟よ――
 

 そんなこんなで、二人をウェザーレアに届けた時には、すっかり日も暮れてしまった。
 仕方が無い、今日はここに泊めてもらおう――と、思ったのだが……

 家の中は酷い有様だった。
 なんでこんなに家の中に人骨が散らばっているんだよ!
 っと、そういえばオーガは食人種だとか言っていたな、つまりそういうわけか……
 やっぱり夜道を引き返して、コロルに戻ろう……(。-`ω´-)
 
 
 コロルクエスト 失われた遺産 ~完~
 
 
 
 




 
 
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